こんにちは、フランス語アトリエのEmmaです。
「フランス語は、つづりと発音が違いすぎて読めない」
「初めて見る単語を、どう読めばいいの?」
フランス語を学び始めた方の多くが、最初に読み方で戸惑います。
実際にフランス語講師として、日本人の学習者にお会いすると皆さん口を揃えて「読み方が難しい!」と言います。
しかし、フランス語は英語と比べてつづりと音の対応に規則性がある言語です。よく使うルールを覚えると、知らない単語でも読み方を予想できるようになります。
この記事では、パリ生まれ・パリ育ちのフランス語講師が、初心者が最初に押さえたい読み方の基本を日本語で解説します。カタカナ表記はあくまで目安です。実際の音は、ネイティブの音声を聞いて確認してください。
フランス語の読み方は「文字の組み合わせ」で考える
フランス語では、アルファベットを一文字ずつ読むのではなく、いくつかの文字をひとまとまりの音として読むことがあります。
たとえば、eauは3文字ですが、発音は基本的に一つの音 /o/ です。beau(美しい)は「ボ」に近い音になります。
まずは単語の中から、ou・oi・eau・onなどの組み合わせを見つける習慣をつけましょう。
最初に覚えたい基本の母音
| つづり | 音の目安 | 単語例 |
|---|---|---|
| a | 「ア」に近い | Paris(パリ) |
| i | 「イ」に近い | ici(ここ) |
| o | 「オ」に近い | mot(単語) |
| u | 唇を丸めて「イ」 | tu(君) |
| é | 口を狭めた「エ」 | été(夏) |
| è・ê | 口をやや開いた「エ」 | père(父) |
特に日本人学習者が注意したいのがuです。日本語の「ウ」とは異なり、舌は「イ」の位置に置きながら唇を丸めます。tuとtoutは違う音なので、口の形を意識して練習しましょう。
よく出る複母音・文字の組み合わせ
| つづり | 読み方の目安 | 単語例 |
|---|---|---|
| ou | 「ウ」に近い | vous(あなた/あなたたち) |
| oi | 「ワ」に近い | moi(私) |
| au・eau | 「オ」に近い | beau(美しい) |
| ai・ei | 多くの場合「エ」に近い | maison(家) |
| eu・œu | 唇を丸めた「ウ/エ」の中間 | deux(2) |
| ch | 「シュ」に近い | chat(猫) |
| gn | 「ニュ」に近い | montagne(山) |
カタカナは音を思い出す補助として使い、最終的には音声と口の動きで覚えるのがおすすめです。
鼻に響かせる「鼻母音」の読み方
フランス語らしい音の一つが鼻母音です。母音の後ろにnやmが来ると、空気を口と鼻の両方に通して発音する場合があります。
| 主なつづり | 単語例 | 意味 |
|---|---|---|
| an・en | enfant | 子ども |
| on | bonjour | こんにちは |
| in・ain・ein | pain | パン |
| un | un | 1/一つの |
ただし、母音の後ろのn・mが次の母音につながる場合や、n・mが重なる場合は、鼻母音にならないことがあります。たとえばannée(年)ではnを子音として発音します。
語末の子音は発音しないことが多い
フランス語では、単語の最後に書かれた子音を発音しないことがよくあります。
- petit:最後のtは通常発音しない
- vous:最後のsは単独では通常発音しない
- grand:最後のdは通常発音しない
一方、語末のc・r・f・lは発音されることが比較的多く、「CaReFuL」と覚える方法があります。ただし、必ず発音するという規則ではなく例外もあるため、辞書や音声で確認する習慣も大切です。
子音の読み方で注意したいルール
- cはe・i・yの前で「ス」に近い音、それ以外では「ク」に近い音になることが多い
- gはe・i・yの前で「ジュ」に近い音、それ以外では「グ」に近い音になることが多い
- sは母音に挟まれると「ズ」に近い音になることが多い
- hは基本的に音として発音しない
例として、garçonではgは「グ」に近い音、çは「ス」に近い音です。girafeではgがe・i・yの仲間であるiの前にあるため、「ジュ」に近い音になります。
単語がつながるリエゾンとエリジオン
リエゾン
普段は読まない語末の子音が、次の母音とつながって現れることをリエゾンといいます。
たとえばles amis(友人たち)では、lesのsが次のaとつながり、/z/の音が現れます。リエゾンには必須・任意・禁止の場面があるため、最初はよく聞く表現をまとまりで覚えましょう。
エリジオン
母音で終わる短い語の直後に母音または無音のhで始まる語が来ると、母音を省略してアポストロフィを置くことがあります。これがエリジオンです。
- le ami ではなく l’ami
- je aime ではなく j’aime
フランス語の発音を学びやすいおすすめ書籍3選
フランス語の発音は、文字だけを見て覚えるよりも、音声を聞きながら口を動かして練習するほうが効果的です。
ここでは、フランス語初心者でも取り組みやすく、発音ルールや口の動かし方を学べるおすすめ書籍を3冊紹介します。
1. 『やさしいフランス語の発音[新装版]』
『やさしいフランス語の発音[新装版]』は、フランス語の音を基礎から体系的に学びたい人におすすめの一冊です。
母音や子音の出し方が、口の正面図や断面図とともに解説されています。「舌をどこに置けばよいのか」「唇をどのような形にするのか」を視覚的に確認できるため、音声を聞くだけでは発音方法が分かりにくい初心者にも適しています。
個々の音だけでなく、フランス語のつづりと発音の関係、リエゾン、アンシェヌマン、エリズィヨンなども学べます。無料のダウンロード音声に対応しているので、解説を読んだあとに正しい音を聞き、自分でも繰り返し発音してみましょう。
- 著者:小島慶一
- 出版社:語研
- おすすめの人:口や舌の使い方から丁寧に学びたい初心者
- 特徴:イラスト、発音ルール、無料ダウンロード音声
2. 『フランス語発音トレーニング』
『フランス語発音トレーニング』は、発音の仕組みを理解するだけでなく、実際の練習を通してフランス語らしい音を身につけたい人におすすめです。
日本語とフランス語では、母音や子音の作り方、息の使い方、リズムが異なります。本書では、日本語話者が間違えやすいポイントを意識しながら、フランス語の音を段階的に練習できます。
発音を頭だけで理解して終わらせず、音声を聞く、自分で発音する、もう一度聞き比べるという流れで使うのが効果的です。すでにフランス語を少し勉強したものの、発音に自信がない人の学び直しにも向いています。
- 著者:菊地歌子、山根祐佳
- 出版社:白水社
- おすすめの人:発音の苦手な部分を実践的に改善したい人
- 特徴:発音の仕組みを丁寧に解説したトレーニング教材
3. 『NHK出版 音声DL BOOK これからはじめる フランス語入門』
発音だけでなく、文字の読み方、基本文法、会話まで学びたい初心者には、『これからはじめる フランス語入門』がおすすめです。
本文のスキットや例文だけでなく、単語や動詞の活用にも音声が用意されています。カタカナの読み方に頼らず、学習の最初から実際のフランス語の音に触れられる点が大きな特徴です。
完全な発音専門書ではありませんが、「単語を読めても会話になると発音できない」という状態を防ぎやすく、発音・文法・会話をバランスよく勉強できます。初めて購入する総合的な入門書として使いやすいでしょう。
- 著者:大塚陽子
- 出版社:NHK出版
- おすすめの人:発音と一緒にフランス語の基礎全体を学びたい人
- 特徴:豊富なダウンロード音声、スキット、例文、練習問題
どの発音教材を選べばよい?
口や舌の形をイラストで確認したい人には、『やさしいフランス語の発音[新装版]』が適しています。
発音の弱点を練習によって改善したい人には、『フランス語発音トレーニング』がおすすめです。発音だけでなく文法や日常会話もゼロから学びたい場合は、『これからはじめる フランス語入門』を選ぶとよいでしょう。
どの本を使う場合も、解説を読むだけではなく、音声を聞いた直後に声を出してまねすることが大切です。短い単語や例文を録音してお手本と聞き比べると、自分では気づきにくい発音の違いも見つけやすくなります。
動画でネイティブの発音を確認しよう
読み方のルールを知るだけでなく、実際の音を繰り返し聞くことが上達への近道!
お気に入りのフランス語の映画、ドラマ、音楽がなかったら、Youtubeがおすすめです。
フランス語アトリエのYouTubeチャンネルでは、パリ出身のネイティブ講師Emmaが、初心者向けの発音・単語・日常会話を日本語で解説しています。動画を一度見るだけで終わらせず、止めながら同じ音を3回ずつ真似してみてください。
▶︎ 今回おすすめしたい動画はこちら
フランス語の読み方についてよくある質問
フランス語はローマ字読みで読めますか?
ローマ字に近く読める部分もありますが、u・e・鼻母音・複数文字の組み合わせなど、日本語のローマ字とは異なる規則があります。「基本は似ているが、そのままではない」と考えるのが安全です。
発音記号は最初から全部覚えるべきですか?
最初からすべて暗記する必要はありません。まずは頻出するつづりと音を覚え、辞書で発音を確認するときに少しずつ発音記号に慣れましょう。実際に私の知っているフランス語学習者さんの多くも、最初から発音記号を勉強したわけではなく、勉強しているうちに徐々に理解できるようになったと言っていました。
カタカナで覚えても大丈夫ですか?
学び始めの補助としては使えますが、カタカナだけではフランス語の母音や鼻母音を正確に表せません。必ず音声とセットで練習することをおすすめします。基本的に、フランス語アトリエではカタカナに依存しない学習スタイルを推奨しています。
まとめ:ルールと音声を組み合わせて覚えよう
フランス語の読み方を身につける第一歩は、文字の組み合わせ、鼻母音、読まない語末の子音という3つの特徴に慣れることです。
すべての例外を一度に覚えようとせず、よく使う単語を声に出しながら少しずつ規則を増やしましょう。読み方が分かると、単語学習・リスニング・会話のすべてが進めやすくなります。
すぐに使える表現も練習したい方は、「フランス語の簡単な日常フレーズ25選」もあわせてご覧ください!
